卵生メダカって何?


  そもそも卵生メダカとは読んで字のごとく卵を産むメダカのことです。「そんなこと魚なんだから当たり前だろ。」と考える方もいるかと思いますが、実は一般にメダカと呼ばれる仲間には「卵生メダカ」と「卵胎生メダカ」と「真胎生メダカ」と呼ばれる3つの繁殖形態があるのです。

  「卵胎生メダカ」とはメスの体内で卵が受精し、そのまま胎内で孵化させ、稚魚を産む魚のことです。代表的な魚で言えばグッピーやプラティ、モーリーの仲間で、ほとんどの熱帯魚ショップで見かけることが出来ます。

  「真胎生メダカ」もやはりメスの体内で卵が受精するが、それが胎盤に癒着し、へその緒を通じて栄養供給を受けて、ある程度成長してから生まれるという非常に変わった繁殖形態をもつもので、ハイランドカープやアメカ・スプレンデンスが有名ですが、あまり見かけることはないでしょう。

  そして
卵生メダカ」は、南米や北米、アフリカ大陸、アジア、ヨーロッパなど広範囲に生息し、極地やオーストラリア、ニュージーランド周辺を除く全世界で50属以上700種近くも確認されております。また、「卵生メダカ」はさらに大きく分けて2つのグループに分けることが出来ます。

 1つは「
非年魚」とよばれるもので、世界の温帯〜熱帯域の広範囲に分布しており、寿命は数年あり、卵は水につけたままで孵化します。この仲間にはアフリカに生息するアフィオセミオン属エピプラティス属、中南米に生息するリヴルス属をはじめとし、実に多くのグループが含まれます。皆さんご存知の日本の”めだか”が含まれるオリジアス属もこのグループに含められます。
アフィオセミオン・オーストラレ・オレンジ

 もう1つは乾季と雨季のある地域に住むメダカが、乾季の2〜6ヶ月間を卵の状態で耐え抜くために進化したもので「
年魚」と言い、その名前が示すとおり、寿命は普通1年以内です。この仲間はその現地の生態から、卵を1度水から出して、数十日間乾燥させなければ正常に孵化しないという、魚類の中でも非常に変わった繁殖の仕方をします。代表的なものではアフリカに生息するノソブランキウス属や、南米に生息する旧シノレビアス属の仲間達が知られています。
ノソブランキウス・エガーザイ ソリッドブルー
 卵生メダカの体長は殆どが5cm位と小型ですが、熱帯産の魚は極彩色に彩られた、非常に美しいものが多く、「泳ぐ宝石」と賞賛され、世界中に熱心な愛好家がいます。是非貴方もその仲間入りを果たし、貴方の家の水槽を「泳ぐ宝石」でいっぱいの宝石箱にしてみてはいかがでしょうか?

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